Sさんからのご投稿です。
まずは小屋のご紹介。
客席は230。このホールでは、特別に頼まない限りオペレーターがつきません。
利用者が自分で操作するのです。音も映像も照明も全部です。
ですから、難しい調整卓はありません。
マイクロホンは舞台に6回線、ワイヤレスが4波ありますが、
フェーダーは「有線」と「ワイヤレス」がそれぞれ1本ずつしかありません。
『素人がひとりでも操作できる』ように作られています。
で、オペレーターを頼む予算がないので、わたくしが担当することに。
催事は、ひとりから数人までの『トーク・セミナー』が中心です。
最初は5人の座談会。
各人の卓上に、スマートなグースネックのコンデンサーマイクロホンを置きました。
これが聞こえない。なぜかというと、話者がイスに背をもたれかけたために
マイクロホンから遠くなってしまったからです。
ハウリング寸前まで音量を上げても、聞こえにくいのです。
これではダメだということで、ミキシングオペレーターを依頼。
ただし、小屋にではなくコネに頼って放送局OBにお願いしました。
さすがは専門家。
フェーダー1本ではなく、6本をミキサーに入れて調整するという
“あたりまえのやり方”に一歩前進。
しかし、聞こえにくいことに変わりはなく、反省は続きます。
「ピンマイクがいいんじゃないか」
「話者の背後のスピーカーは殺してしまえ」
「各卓に“マイクに近づいて”と書いたらどうか」
現実味のないアイデアばかりが浮かびます。
ちなみに、ホールといっても“額縁”も幕も袖もありません。
大学の階段教室のような感じです。
舞台は左右が7メートル、奥行きが3メートルほどです。
せり上がっても60センチくらいでしょうか。
背景には200インチのビデオスクリーンが仕込まれています。
正面のスピーカーも画面と同じ面についています。
つまり、話者の背後から音が出ます。(客席から見て、正面)
そのほかに、スピーカーは天井にもついています。
予算の都合で、またわたくしが音響担当に。
そこで、思い切って手持ちマイクロホンをスタンドから外しました。
タオルをたたんでマイクロホン置き場にして、雑巾と間違われないように
「マイクロホン」と書いたドラフティングテープをはりました。
トークスイッチはビニルテープを巻いて隠しました。
話者がスイッチを探しまわるしぐさが見苦しいからです。
これが意外とよく聞こえました。
口元とマイクロホンが近くなる上、しゃべるタイミングがわかるので
フェーダーを動かすきっかけを見つけやすくなりました。
それ以来、マイクロホンは手持ちに限ると決めています(笑)
さて、失敗とは、何と本番中に音が出なくなるという信じられない話です。
このつづきは次の機会に。
はい、では次回楽しみにしています。